主人公 | (たまには気分を変えて、 喫茶店で勉強しようかな) |
(ハァ〜、難しい問題だなぁ、 もうチンプンカンプンかも) | |
あぁ、もう〜! 氷室先生め! | |
??? | 誰それ? 数学の教師かなんか? |
主人公 | 天童君!? ビックリした…… どうして? いつからいたの? |
天童 | たまたま、窓の外から おまえが見えたんだよ。 お勉強デートの約束したろ? |
主人公 | もう……。 |
天童 | それさ……その三角形。 頂点Cから垂直に線引っ張って 裏っ返せば、そっちのと 同じになるんじゃねぇの? |
主人公 | ん……? あ、ホントだ! スゴイよ、天童君! |
天童 | まあな。 こう見えても俺だって…… いいや。 |
主人公 | なに? |
天童 | ああ。中一くらいまではさ…… やっぱ、いいや。 どうせ信じねぇもん。 |
主人公 | 信じるよ! なに? |
天童 | スゲェ、勉強できたんだ。 ホントだぞ? 学校で一番くらい。 |
主人公 | じゃあ、どうしてそんな……。 |
天童 | こんな出来損ないに なったかって? |
主人公 | ゴメン。 |
天童 | 勉強は好きだったけど、 なんつーか、こう…… 友達とかいなくてさ。 中学で、初めて出来た友達が、 ワケありで グレはじめちゃって。 で、つるんでるうちに、な。 |
主人公 | そっか……。 |
天童 | 今じゃ、 完全に手遅れってことで、 親からもガッコーからも シカトされてるけどな。 |
主人公 | (天童君……) |
天童 | なぁ、おまえはやっぱ、 大学とか、受けんのか? |
主人公 | まだハッキリ決めてないけど。 どうして? |
天童 | いや、俺もその…… 受けてみようかな、大学。 もちろん、ダメもとでさ! |
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